ドイツ在住のシリア難民の方に直接インタビュー。「サポートは手厚いが、本当はシリアに帰りたい」?

戦禍を逃れてドイツに移住したシリア人。彼らは異国でどんな生活をして、どんなサポートを受け、実際どのような気持ちで過ごしているのでしょうか。今回ドイツ在住のiolleyさんが語学学校で知り合ったシリア難民の方に直接インタビューしてくださいました。
シリアシリーズ第1弾、今回はドイツの支援についてです。(まずはシリアの国について知りたい!という方は第2弾「シリアってどういう国? ~教育制度から欧州への移住まで~」からお読みください。)

様々な国からの移民を受け入れるドイツ

ドイツではもともと、色々な国からの移民の方がいるため、誰がどの国なのかは、尋ねなければわかりません。ドイツ人に見える風貌の方でも、実は、ロシア、ポーランド、モルドバ、トルコ、シリア、イラン、イラク・・・・と本当に区別がつかないのです。女性でスカーフをしている方は、イスラムの方だと分かるくらいです。
iolleyドイツに来たシリアの人々1
昨年度はドイツに100万人もの難民が来たようです。たいていは、難民を歓迎ムードで受け入れていますが、ドレスデンを中心にペギダというグループも存在しています。

語学学校で出会った5人のシリアからの難民の方

現在、私はビザの更新のための語学学校に通学していますが、クラスには、5人のシリアからの難民の方がいます。20代後半から30代後半までです。4人の子どものお父さんもいれば、まだ独身の方もいます。出身は首都のダマスカスや古都のアレッポなど。シリアでの職業も、医者、薬剤師、IT情報系、建築士、会計士、と様々。そして同じシリア人でも、パレスチナ人、クルディッシュ(クルド人)、など、民族は異なります。
高校時代の懐かしい世界史の教科書を振り返ってみると、現在のシリアあたりは、フェニキア人といい、地中海貿易で交渉していた人々ですね。確かに、総合商社の方たちは、レバシリといい、レバノンとシリアの人は交渉が上手だと言っています。また、フェニキア人は、フェニキア文字を作り、ギリシャ人に伝えて、アルファベットの起源となったのですから、優秀な人たちだと思わざるをえません。
Container ship and crane in the harbor of La Spezia, Liguria, Italy

シリアの方にインタビュー

難民に向けたドイツからの支援は十分に暮らしていけるもの

さて、私は、休憩時間にどうしてもシリアの方に聞きたいことがあり、ズバリ聞いてみました。難民としてドイツの国からいくら支給されているか?です。この質問にルームメイトが丁寧に答えてくれました。
基本的に住居(光熱費含む)、交通費、語学学校などは無料になります。難民ビザを取得すると、一人1か月400ユーロが支給されるようです。子どもも同額。さらに子ども手当として、一人90ユーロ追加されます。
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ドイツ国内で仕事を持って自立した生活が送れるまでサポートは続くが、本音は母国シリアに帰りたい!

ドイツは住居費と交通費が高いのですが、これが基本的に無料。食費と雑費分としては、十分暮らしていける金額になります。素晴らしい支援体制ですね。また、そのサポート期間は、自立して仕事を持ち、生活ができるまで、とのこと。実際にベルリンでは、シリアの難民の方たちの中には、医者、弁護士など高度な職業、技術をもった高学歴の方も多く、ベルリンの大学がシリアの方たちとのプロジェクトなども計画しています。
しかし、シリアの方たちは、戦争が終わったら、自分の母国に戻りたい、というのが本音。今まで住み慣れた母国を離れて、いきなり知らない土地で仕事を探さなければいけないのは本当に大変です。
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クラスにいる5人のシリアの男性は、日本人の男性に風貌など似ています。背丈も同じくらいで、雰囲気もあまり日本人男性と違和感がありません。日本人を少し陽気にしてひげが濃い感じです^^そして皆さん、タバコをよく吸い、アラビアコーヒがお好み。きっと、シリアの国がこんな風になる前は、食材豊かな国で陽気に暮らしていたのだろうと想像します。
平和な暮らしが一刻も早く戻ることを心より願っています。
シリアの国についてもっと知りたい!方へ
第2弾「シリアってどういう国? ~教育制度から欧州への移住まで~」もお読みください。
by iolley@German


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