けん玉ってすごい! ―「五感力アップ」と「成功体験」の宝庫 ―/Japan

先日ご紹介した折り紙(折り紙ってすごい!~折り紙を使った子育てのススメ)に続き、日本で昔から遊ばれているものの一つに「けん玉」があります。五感を使い、できた!という感動にどんどんはまり、やり続ける集中力。これは、テレビやスマホのゲームでは絶対に味わえないものがあります。
改めて、けん玉の効果とルーツを見てみましょう!

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テレビ番組の影響もあり、最近子ども達に人気となっているけん玉。我が家の息子も早速サンタさんにお願いをして、手に入れました。が、いざやってみると…玉がブンブン振り回されるだけ…。
そこで、息子は保育園でけん玉の得意な先生から正しい持ち方や足の動きを教えてもらい、家でも何度となく繰り返し練習。あるとき、ようやく大皿技(注:けん玉の基本となる技)に成功!! このときの息子の「あぁ、やっと出来たー!」という安堵と喜びの表情といったら!この表情は、親にとっても最高のプレゼントでした。
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(お皿の持ち方:日本けん玉協会より)

けん玉の魅力 その① 五感でコツを掴むスキル

子どもは「真似る(学ぶ)」天才と言われますが、それを実感させてくれたのがけん玉です。特に幼児期の間は、言葉の理屈でやり方を理解するよりも五感を大事にしたい時期。
実は最初の頃、私がけん玉のやり方を調べ、言葉で「こうしたら?」と伝えたことがありました。ところが、言葉で聞いてしまうと頭で考えて行動しようとするので、子どもは非常にぎこちない動きをしてしまいました。
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その後、保育園で実際にやりながら教えてもらえたことで、息子も足の動きを自らの感覚で掴んでから一気に様(さま)になり、ついに大皿技に成功。幼いながら、さっきまでとは違い“いい感じ!”という感覚が掴めたようです。 そこからはひたすら繰り返し、「お母さん、みて、みて!」とひっきりなし。家事は進みませんでしたが、何にも替え難い時間となりました。
ちなみに、けん玉をやってみると、手だけではなく足の曲げ伸ばしも必要なことを実感します。何と、この動きでスクワットと同様に「足腰が鍛えられる」効果が得られるそうです!!
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けん玉の魅力 その② 成功体験

もう一つの魅力は、前回の「折り紙ってすごい!~折り紙を使った子育てのススメ」も然り、けん玉は「出来た」という喜び=「成功体験」を重ねていけるということ。
失敗しても手っ取り早く、何度も集中して取り組むことができます。日本の遊びであるこま回し、ベーゴマ、あや取りなども同じ要素があるかもしれません。「一度出来たから、きっとまた出来る」という自信をつけてくれるように思います。

けん玉のルーツ

この記事を書くまで、恥ずかしながらけん玉は日本の伝統的な遊びだと思っていました。ところが、けん玉(玉や骨、リングを棒に刺す遊び)は世界各地にあることが分かりました。 英語でカップ・アンド・ボール(Cup and Ball)、フランス語でビル・ボケ(Billeboquet)、ドイツ語でクーゲル・ファング(Kugelfang)などです。
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(「Billeboquet」 By Wikiwand )
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(「Männer beim Bilboquet (Gemälde von Monzies 1880)」 By Wikiwand )
けん玉のルーツについては、いろいろな説があるようですが、世界各地にあるけん玉のほとんどが、16世紀ごろ(日本の戦国時代)フランスから伝わったと言われています。日本のけん玉がフランスから伝わったという文献は皆無で詳細は分かりませんが、少なくとも現在の日月ボールは大正末期に出来上がった形のようです。

けん玉で世界をつなぐ

世界中でそれぞれのスタイルにあわせて発展してきたけん玉。 ある時期に日本固有の大きさ・形となり、日本独自の遊びとなったというのは非常に感慨深いです。
そして、日本のけん玉が遊びとしてだけではなく、競技となることで外国人のプロ選手までも誕生しています。世界的に知名度があがり、そして海外の会社までもがけん玉を作っています。それを逆輸入して今や様々なモデルができ、日本でもさらに人気が上がっているようです。
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(「デンマークのクロム社のけん玉」By http://www.offitsuku.com/
一方で、日本の広島県廿日市市(発祥の地)など職人の方が作るけん玉も一本一本の重量や質感が違うとして根強い人気があります。日本のけん玉を通じて、世界にコミュニティができていったことも、けん玉の魅力ですね。
前回の折り紙と今回のけん玉。どちらもありふれた身近な遊びですが、そういった遊びの中から、子どもとの関わり方、子どもたちの生きる力のヒントを見出すのも、子育ての面白さのひとつかもしれません。
【参考文献】
・公益社団法人 日本けん玉協会
・一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク
・きょうの健康 2015年10月号掲載  けん玉学―起源から技の種類・世界のけん玉まで 窪田 保
By saya

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