オーストラリアの教育環境と子どもの睡眠

以前、「東京都の小学生~通塾事情とご飯と睡眠~」の記事で、日本の小学生の通塾率は全国平均が47.3%、東京都は57.7%とありました。そして、平均帰宅時間は22時以降が23%、21時台が20%というデータも。一方、受験制度の無いオーストラリア。この教育環境の違いが子ども達の睡眠時間に大きく影響を与えているようです。

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大学まで受験の無い教育環境

オーストラリアには受験制度がありません。大学入学の際も、オーストラリアの州ごとに決められている評価に基づき、学校の成績と卒業試験を組み合わせて行くことができる大学が決定されます。もちろん、中学受験も高校受験もありません。
そのため、「受験勉強のために」と塾に行く生徒はほとんどいません。教育熱心なアジア系の方が公文教室に通われているくらいです。毎日の勉強は学校から与えられた宿題が中心です。
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授業は教科書を使わずにコンピューターで実践的な力を身に着ける

学校ではWi-Fiがつながっており、コンピューター教育も盛んです。小学生からiPadを導入して授業を行っています。基本的にオーストラリアの学校では教科書がなく、サイトを見たり、ダウンロードしたりする作業が小学校から自然とできるようになります。
カリキュラムについては、受け身の授業だけでなく、プレゼンテーションなどの能動的な授業もたくさんあります。小学生からパワーポイントを使用してプレゼンテーションを行います。また、アップルPCで自分の動画を作成する授業もあります。音楽を取り入れたり自分の好きな動画を作ったり。楽しい授業ですよね。小学生もみんな大喜びで、卒業動画を作成しています。学校にいる間に、実践的な力をしっかり身に着けることができるのです。
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そして下校後は、読書や習い事をしながら過ごします。17時から18時には、お父さんも仕事を終えて帰宅。18時から19時頃には家族全員揃って夕食の時間。そして就寝、というスタイルが定着しているようです。

大人も子どもも睡眠をしっかり取って心身ともに元気な毎日を過ごす

オーストラリアの子ども達は、しっかりと睡眠時間を取ります。教育テレビでも夜7時半になると、子ども達に「寝ましょう」という番組があります。大人も午後10時になると寝てしまいます。
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オーストラリアの小学校に通学していた時、月1回のお手紙の中に睡眠時間に関するテーマのものが配布されました。そこには、“子どもは最低10時間の睡眠時間を取ること。ティーンエイジャーでも最低9時間は睡眠を取ること。精神的な病気になりにくくなります。”と書いてありました。
十分な睡眠時間は精神的な病気になりにくくなる――まさにその通りだと感じています。現在日本では、大人ではうつ病が急激に増え、子ども達の間ではいじめ問題が後を絶ちません。睡眠時間を充分とることでこうした課題を解決できるのであれば、まずは生活習慣を見直してみる、というのも大切なように思います。
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まずは生活習慣を整えることから

睡眠というのは、体を休ませるだけでなく、脳も休ませます。日本のお父さん方は、22時や23時に帰宅。それからご飯を食べ、0時過ぎに就寝、という方は多いと思います。大人も子どもも仕事や勉強に追われている日本社会。
18時から19時には家族揃って夕食を食べることができるようなライフスタイルを定着させることができたら、世の中の流れも変わってくるのではないかな、と感じます。
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iolley@Germany


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