公立?私立?勉強に追われる子ども達/Taiwan

幼少期から塾通いが当たり前になっているのは、アジア圏の国で見られる一つの特徴かもしれません。台湾では、睡眠不足から精神科にかかる子どもが増えているようです。

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教育の不平等に関しては、以前からよく話題になっていますが、現在、私も身をもって教育の不平等さを感じています。

台湾の私立幼稚園はバイリンガルと完全英語教育の2種類

私には今、今年小学校一年生の長女と、幼稚園児の次女がいます。長女が幼稚園を選ぶ際、公立幼稚園でも抽選があったのですが、希望する幼稚園に入園できない可能性もあるため、私たちは私立幼稚園に入園させることにしました。
私立幼稚園にはバイリンガル幼稚園(英語と中国語)と完全英語教育幼稚園があります。私は中国語をしっかり学ぶことが必要だと考え、バイリンガル幼稚園を選びました。
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また、学費が完全英語教育幼稚園より少し安かったこと、長女が楽しい幼稚園生活を送れること、長女はまだ英語を理解していないが、子どもは吸収が早いので、外国人の先生達とおしゃべりすることによって、自然に英語を使えるようになるだろうと考えたからです。

公立小学校入学後に感じた「教育の格差」

現在、長女は小学校一年生、家の近くの公立小学校に通っています。私立小学校の設備には及びませんが、自分達が小学生だった頃よりははるかに素晴らしいものです。教育内容は教育部の規定に基づいており、国語はまず発音記号を学び、英語はアルファベットから学び始めます。
そして2週間後、教師から保護者は必ず子どもに付き添い発音記号の復習をするよう連絡を受けました。クラスの子どもたちの能力に大きな差があるからです。その時、初めて私は公立幼稚園では発音記号の教育は行っておらず、私立幼稚園ではすでに発音記号の学習を始めていることを知りました。
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そう、教育の不平等はすでに幼稚園から始まっているのです。公立幼稚園出身で一年生になって初めて発音記号を学ぶ子どもたちにとっては、私立幼稚園ですでに2年間学習している子どもたちに比べ、小学校一年生で発音を学ぶ進度は非常に早いと感じるでしょう。今まで学習していなかった子どもたちにとってはとても辛いものです。

より高いレベルを求めて塾に通う子ども達

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問題は公立幼稚園には英語の授業がなく、私立幼稚園にはバイリンガル、または完全英語教育の授業があるというだけにとどまりません。
公立幼稚園出身の子どもたちが小学一年生からアルファベットを学び始めることについては問題ありませんが、私立幼稚園ですでにアルファベットを学習していた子どもたちにとってはたいくつな授業となってしまうのです。
そのため私立幼稚園出身の子どもたちは放課後に英語の塾に通い、さらに高度な学習を続けることになるのです。

公立幼稚園出身の子は学童保育で補習

小学校一年生は半日授業であるため、公立幼稚園出身の子どもたちは、放課後学童保育に通うことになります。これは、保護者が仕事をしている間面倒を見て貰うためだけではなく、これ以上落ちこぼれないようにするためなのです。
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多くの子どもたちは小学校六年生になる頃には、放課後は学童保育に向かい、宿題をし、さらに追加で授業を受けます。中には土曜日にも塾に通う子どももいます。
多くのことを学ぶためだけではなく、学校の授業に追いつき、他の子どもたちから落ちこぼれないようにするため、多くの子どもたちは、まるで補習のために過ごしているようなもの。このような教育は子どもたちの楽しい幼少期を失わせてしまうのではないのでしょうか。

子どもの就寝時間は夜11時!精神科にかかる子も増加

調査によると、国内の子どもの学業ストレスのうち63%は保護者によるものであると言われています。平日は11時になってやっと就寝する子どもが非常に多く、ストレスのため不眠になり、精神科を訪れる子どもが徐々に増えている程。
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私は子ども達にはこのような生活を送って欲しくないと思っています。楽しく学習することが一番重要なのだと思うのです。
By  Eva Huang@Taiwan

台湾の公立・私立小学校についてのレポート第1弾「公立?私立?――台湾の小学校事情/Taiwan」もお読みいただくとより理解が深まります。
ぜひお読みください。

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